この研究の長所として、米国民からランダムに選んだ偏りのない集団を対象に、ビタミンCの(摂取量ではなく)血清濃度という生体指標を用いて、長期間にわたる追跡調査を行った点を、研究者らは挙げています。
血清ビタミンC濃度と、全死因やがんの死亡率との関係を、多数の集団の追跡調査によって調べた研究は、これまでに数えるほどしか報告されていないようです。
反面、今回の研究では、ビタミンC以外のビタミンやカロテン類の血清濃度は測定しておらず、その影響も考慮されていません。
ところが、ビタミンCの血清濃度が高い人は、それ以外のビタミン濃度も高い可能性があります。
そのため、「血清ビタミンC濃度が低いグループではがん死亡率が高い」という今回の結果が、ビタミンCそのものの影響によるものなのか、がん予防効果のあるビタミンC以外の栄養素の影響をみかけ上反映しているだけなのか、十分には区別できません。
研究者らも認めていますが、この点を限界として留保する必要があるでしょう。
フィンランドのグループで、肺がんリスクが低くなりました。
米国立がん研究所のグループによるこの研究は、「米国疫学雑誌」2001年4月1日号に報告されました。
この研究は、βカロチンとビタミンEのサプリメントによる肺がん予防効果を調べた大規模な臨床試験に参加した、フィンランドの男性喫煙者約3万人のデータを用いて行われた。
サプリメントそのものは、肺がん予防に効果がないという結果が、1994年に報告されている。
今回の調査は、研究を始めてから5~8年のあいだに肺がんと診断された300名と、肺がんにならなかった300名について調べた。
対象者の平均年齢は59歳だった。
サプリメントを飲みはじめてもらう前に採取して凍結保存しておいた血清を使って、B群ビタミンのうち、ビタミン136・1312・葉酸の濃度を測った。
つまり、肺がんの人では、肺がんになる前の健康な時に採取しておいた血清を、長期間凍結保存しておいて、肺がんになったことが分かった後で、血清を解かしてビタミン濃度を測った。
肺がんにならなかった人でも、同じ時期に採取しておいた血液を、同じように解かしてビタミン濃度を測った。
血清ビタミン民濃度でリスク低下。
その結果、ビタミン136の血清濃度は、肺がん群が対照群よりも低かった。
血清濃度によって対象者を5グループに分けると、ビタミン136の血清濃度がもっとも高いグループでは、もっとも低いグループと比べて、肺がんリスクが0.51倍に下がるという結果だった。
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